ヨモギを求めて伊吹山へB

本題のヨモギの情報を集めるため、事前に調べておいた伊吹薬草の里文化センターというところを尋ねてみた。名前からして伊吹山周辺の野草についての情報がたくさん得られると期待をしていた。
行くと文化祭のような行事が行われていて、にぎやかだった。さっそく事務の方に薬草のことについて尋ねてみたが、あまり良い返事が帰って来ない。結論から言うと、この伊吹薬草の里文化センターというのは、巨大な公民館のようなところで、薬草について勉強が出来るところではなかった。あるのは、薬草を使ったお風呂で、このイメージを生かして伊吹薬草の里という名前をつけているようだった。

館内でヨモギ餅を売っているおばちゃん達にヨモギのことを聞いてみると、近所で採っているようで、伊吹のヨモギは良いらしいよと、しきりに言っていて、周辺に沢山あるそうだ。その際に、昔のこの辺の事が話題に上がると、インターネットの情報では出てこなかった興味深いことを話してくれた。
昔、伊吹山周辺では、夏休みになると子供達はヨモギを採りに行き、家で乾燥させて学校に持って行き、集めたヨモギをモグサ屋さん(生薬の問屋)が買ってくれた。その時のお金を学校の教育費に当てていたそうだ。十薬などもヨモギと一緒に買ってくれたそうで、このような習慣があるのはさすが薬草の宝庫伊吹山。しかし、近年蛇に噛まれるなど危ないと保護者の方々のクレームも出て現在はこの習慣は残念ながら途絶えているそうだ。風習的には非常に良いと思うのだが・・・
更に栽培についても伺ったが、ヨモギはそこら辺に生えているので栽培をしている人なんて聞いたことがないとのこと。そこで、この辺の薬草の事情に詳しい方を紹介していただくことにした。

薬草の里文化センターのお風呂の素を作られている老夫婦を紹介いただき会いに行くことにした。
玄関で立ち話をしながらヨモギの事を熱心に聞いていると、作業場の中に入れていただき、更に詳しい話を聞くことが出来た。作業場に入ると奥さんが黙々と詰め作業をしていた。早速伊吹山で行われる伊吹山薬草サミットと呼ばれるシンポジウムなどのイベント本など見せていただいた。
ヨモギは、昔のように質の良いものを探すのは難しくなってきているようで、伊吹山周辺で昔は沢山あったモグサ屋さんは、殆どがなくなっていったらしい。
そして今あるモグサ屋さんも中国など外国産や北海道あたりものもを利用していて、現地ではあまり採っていないそうだ。なんだかがっかりした。

よもぎ屋トップページへ >> 次のページへ